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簿記検定

  ○試験内容
 日商簿記検定は毎年2月、6月、11月の三回行われます。(ちなみに一級は6月と11月の二回だけです)
 受験資格は特にありません。
 試験のおよそ2か月前から受付をするようなので、各地の商工会議所にお問い合わせください。下記のホームページにも検定試験の詳しい情報が出ていますのでまた、アクセスしてください。

 商工会議所検定試験


  ○試験情報
 ここでは、簿記検定三級と二級の話でいきたいと思います。

 試験時間は二時間で100点満点中70点以上取ることで合格となります。
簿記三級は商業簿記からの出題で基礎的な内容を問う問題となっています。
簿記二級は商業簿記と工業簿記から出題され、やや問題の難易度も高くなっています。
 簿記検定は簿記の内容をしっかり理解すれば、必ず合格出来るようになると思います。焦らず頑張ってください。

 簿記三級
 問題形式として5題以内の出題となっています。
 どういう問題が出されるかと言いますと・・・
 第1問 仕訳  (20点)
    やや難しい仕訳の内容が聞かれます。

 第2問 補助帳簿、商品有高帳や小口現金出納帳、元帳などからの出題  (10点ほど)
    それぞれの内容をわかっていれば、得点できるところです。

 第3問 試算表がらみの問題が主 (30点ほど)
    取引から仕訳をして、そこから試算表に移るわけですが、仕訳の量が多くなるので仕訳ミスや計算間違いには気をつけてください。

 第4問 決算仕訳(一部)、伝票の問題が主(10点ほど)
    難しくはありません。間違わないためにも、仕訳してから解くようにしてください。

 第5問 清算表、損益計算書、貸借対照表など  清算表の問題がほとんど(30点ほど)
    最後の砦という感じです。簿記三級の内容を理解しているか問われる問題であります。決算仕訳がベースになりますので、売上原価の出し方、有価証券の評価の仕方、減価償却の計算など注意すべき点はいくつかありますけど、何度かこの問題を解いていると出来るようになりますので、頑張ってください。

**簿記三級の試験は満点を取ることも決して難しいわけではありません。(第1問の仕訳の問題で満点を阻止される可能性は高いのですが。)
独学でも十分に合格できます。
勉強方法として、テキストは必ず理解して読むこと。分かるまで何度も読んでください。難しいところは売上原価の計算と思います。そこをクリアすればあとは何とかなります。勘定科目は初めて勉強する人にはかなり多く感じるかもしれませんが、覚えてください。何度か勉強しているうちに覚えてしまいます。あと、仕訳はすべての基本ですので、出来るようにしといてください。
問題集もうまく利用してください。何度も解くことが大事ではないのでしょうか。
あと、仕上げとして模擬試験の問題集を利用されたらいいと思います。試験の出題傾向も分かりますし、何度も解いているうちに出来るようになってきます。間違えた所は必ず復習を!


 簿記二級
 問題形式として5題以内の出題となっています。
 第1問(商業簿記) 仕訳の問題 (20点)
    三級と同じくやや難しい仕訳の内容が聞かれます。

 第2問(商業簿記) 特殊仕訳帳、伝票の問題が多い。(20点)
    どちらかと言えば、得点しやすい場所。仕訳の注意と計算間違いには気をつけて。

 第3問(商業簿記) 本支店会計、清算表、決算表など(20点)
   難易度が高い問題。決算仕訳が必ず絡んでくるので売上原価の出し方や減価償却などの理解をしておく必要があります。本支店会計では内部利益に注意。

 第4問 第5問(工業簿記) 工業簿記からの出題。第5問は原価計算書の作成の内容が多い。(第4問、第5問とも20点)
   難易度は高い。工業簿記特有の問題に慣れることが大切。計算力がためされます。

**二級を勉強する前に、三級の内容が基礎にあります。三級の内容を理解した上で勉強してください。
商業簿記も三級と比べ複雑なものになっています。三級はどちらかと言えば、個人経営の会計記帳ですけど、二級は会社の会計記帳で、それに関連した勉強をしていくことになります。やはり、繰り返し勉強していくことが大切なのではないでしょうか。試験対策として模擬試験の問題集を利用してください。私が使っていた模擬試験の問題集は利用価値が高く、良い物でした。
二級では新しく、工業簿記から出題されます。原価計算・・・生産費を計算するのが特徴で、それに関連した内容が二級の工業簿記に書かれています。材料費、労務費、経費、製造間接費・・と順に勉強していくことになりますが、私が勉強していて思ったことは数学的センス(計算のセンス)が問われるものが多いということです。ただ、仕訳が基礎にあるのは同じで、仕訳をしてみることで複雑なことも分かったりします。試験前は模擬試験の問題集を中心として勉強されたらいいと思います。結構、よく似た問題が出されます。


    簿記の基礎は仕訳です。 日々の取引を原因と結果に分け、それぞれあてはまる勘定科目(現金、売上などのこと)に照らし、借方、貸方に記入します。

 例えば・・・
  10,000円の商品を現金で購入した。  という取引があったとすると、仕訳はこうなります。
       借方                 貸方
   商品   10,000         現金   10,000

 借方(左の方)、貸方(右の方)の名前に関しては特に意味はないと思われています。簿記上のテクニックです。

  ○100,000円の商品を売上、そのうち半分は現金で受け取り、残りは掛けとした。  という取引があったとすると、仕訳はこうなります。(ちなみに三分法で仕訳します。**三分法に関しては、また勉強してください。ここでは触れません。)

        借方                 貸方
   現金    50,000         売上  100,000
  売掛金    50,000 

 現金、売上などの勘定科目は大きく分けて、資産・負債・資本・収益・費用に分けられます。
 例えば、現金は資産。 借入金は負債。 資本金は資本。 売上は収益。 光熱費は費用。 など。
 それぞれの増減の変化や発生により、仕訳の方法→借方・貸方への記入の仕方が決まります。

借方(左) 貸方(右)
資産
負債
資本
収益
費用

           **(+)増加・発生  (−)減少・消滅

  以上から、先ほどの取引を見てみますと、商品を売り上げたので収益の発生、つまり貸方に記載。現金を受け取ったので、資産の増加で借方に記載。もう一つ、売上の残りを掛けとしたので、これも資産の増加で借方に記載。 ということになります。
 ここで、見てもらいたいのは、借方と貸方の金額が一致しているということです。
これは、貸借平均の原理と呼ばれ、すべての取引(仕訳)に例外なくあてはまるものです。

○○以上の事柄から、過去の試験の仕訳問題を見ておきます。

*問い 一台あたり¥200,000の事務用パソコンを5台購入し、代金のうち¥100,000は現金で支払い、残額は来月末に支払うことにした。そのさい、引取運賃¥20,000は現金で支払った。

*答え とりあえず、解答は次のとおりです。

        借方                   貸方
  備品     1,020,000        現金    120,000
                          未払金    900,000

 一台あたり200,000円のが5台ですから、全部で備品(事務用パソコン)1,000,000円。このとき引取運賃も備品に含めることになっていますから、備品合計で1,020,000円。また、備品・・資産の増加なので借方に記載。
現金を合計120,000円支払ったので、資産の減少から貸方に記載。
また残りは後に支払うことから、未払金の発生、つまり負債の発生で貸方に記載。
 以上で上記の仕訳となります。
 借方と貸方の合計が同じのを確かめて置いてください。

**勘定科目がどうなるのか、その他どういう取り決めがあるのかはそれぞれ学習の中で出てくると思いますので、その時に覚えるようにしてください。


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