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   ○ 対策相談室(ちょこっとアドバイス)

 ここは、契約・法律などに関して困ったとき、また、トラブルにあったときに対応するための対策相談室です。
アドバイスのような感じで、作成していこうと思っています。。

 目次:@ 対策心構え
    A クーリング・オフ 
    B 消費生活関係
    C インターネットでの取引(買い物、ネットトラブル)





 @ 対策心構え

 トラブルに巻き込まれない、また、契約等を交わした後で、しまった!と思わないための心構えを幾つかあげてみます。

1.間を置いて考える。

 簡単にいいますと、その場ですぐに契約等しない、ということです。即決しないで、時間を置いて考えてみると、これは必要なかったなや、ここは問題あるな、など不必要なリスクを回避できるやもしれません。特に、訪問販売などの勧誘販売や高額な契約の場合は、即決せず、間を置いて考えてみて、それでも、必要ということでしたら、契約することを考えましょう。

2.わからないときは、調べる、専門家に尋ねる。また、わかるまで、相手に聞く。

 契約を交わすとき、また、トラブルにあったときに、ここはどういうことなのか、また、どうしたらいいのかわからないときは、納得するまで本やネットなどで調べたり、または、専門家の意見を聞くことが大切です。また、契約を持ってきた相手側に契約の内容の不安なところは徹底的に聞くのが、あとでしまった!とならないために必要なことだと思います。

3.証拠を残す。

 証拠がなければ、何かあってもその人の戯言かなどと思われてしまいます。また、トラブルに巻き込まれ、実際相手を訴えるときに、証拠がなければ不利な結果に終わるかもしれません。
なので、はじめの段階で、こちらから証拠となるものを用意したり、または相手側にきちんと用意してもらいましょう。契約書のない契約ほど危険なものはありません。また、現状の写真を撮ったり、証人となってくれる人を準備することも大切です。
上記1.2.と合わせ、後の憂いをなくすことが大切です。

4.トラブルになったときは、早めに専門家に相談を。

 トラブルになったときは、早めに専門家に相談するのが大切です。何もせず放っておいたら、被害がますます大きくなったり、本当なら解決できることが、時間の経過と共に解決できなくなるかもしれません。また、時効というものもありますから、後になるともはや請求できる権利も消滅してしまうこともありえます。
そうならないためにも、専門家への相談は早めにされるのがいいでしょう。
 消費生活センターへの相談も有効的です。

5.消費者取消法、特定商取引に関する法律などの取消権を利用する。

 法律規定上の取消権の条件に当てはまる場合は、契約の取消が可能になります。不実告知、断定的判断の提供、不退去など事業者側の行為によって取消可能となりますので、事実と異なる〜無理やり契約させられた場合などはこの取消権をご利用ください。その時は、内容証明の通知または消費世界センター等への相談が有効的です。

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 A クーリング・オフ

1.クーリング・オフの行使期間起算日は、法定の書面を受領した日から。

 クーリング・オフの行使期間(訪問販売などで8日ですが)の起算日は、法定書面(法令上、要求される記載のある書面)を受領した日です。つまり、法定書面の受領がない限り、また、受領した書面が、法律等で要求される記載が欠けている不備書面や、事実と異なる虚偽書面である場合は、行使期間の制限の効力が発生していなく、きちんとした書面を受け取るまで、基本的にいつまででもクーリング・オフが可能になります。
また、クーリング・オフに関して不実のことを告げられたり(この商品は特価なの解約はできない、など)、販売業者がクーリング・オフを妨げるため、威迫されて困惑した場合なども、同じく、きちんとした書面等受領するまで、クーリング・オフの行使期間の制限が発生しません。

2.クーリング・オフは発信主義。

 クーリング・オフは、その通知を発信すれば、その発信日に効力が発生します。
つまり、8日の期間内で、8日目にクーリング・オフの通知を送って、相手側にその通知が到着するのが9日以降でも、発信主義なので、8日目までに通知を送ったということなので、クーリング・オフの効果が発生しています。

3.クーリング・オフの通知はできれば書面で。

 クーリング・オフの通知は書面で、特に内容証明(少なくとも書留で)で送るのが良いでしょう。
口頭でも有効だと考えられていますが、法律では一応、「書面で」と記載されていることもあり、証拠保全(きちんとクーリング・オフの通知しましたよとはっきりさせるため)の観点から、書面で通知するようにしましょう。

4.指定消耗品で一部使用したら全部解約できなくなるわけではない。

 化粧品等の指定消耗品で、一部だけ使用した場合にクーリング・オフができなくなる範囲は、購入した商品全部ではなく、通常販売される商品の最小単位が基準になります。
つまり、セット販売だから全部にクーリング・オフできない、というようなことを言われても、使用していない残りの物が通常単品として販売可能なら、その部分はクーリング・オフできるものとされています。
また、受領した法定書面に「この消耗品を使用・消費するとクーリング・オフできなくなる」という記載がない場合は、制限の効力が発生していないと考えられ、クーリング・オフは可能ということになります。

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 B 消費生活関係

 1.キャッチセールス、アポイントメントセールス(販売目的隠匿・有利条件呼出販売)については、営業所の取引でも訪問販売に該当する。

 訪問販売に該当する要件として、原則的場所要件で、営業所以外の場所において、というのがあります。訪問販売に該当すれば、クーリング・オフ等、消費者にとって助かる制度が使えるようになります。
営業所での取引でも、キャッチセールス等による場合は、訪問販売に該当することになりますので、クーリング・オフ等ができることになります。

 2.通信販売には、クーリング・オフの規定がない!?

 インターネットでの買い物も気軽にできる時代になりましたが、通信販売とされる取引の場合、広告規制(広告の義務)はありますが、クーリング・オフができるという法律上の規定がないので、クーリング・オフはできないことになります。
販売業者によって、クーリング・オフに似た制度の解約権があるところもあるので、その当たりの解約に関する規定をきちんと把握して、通信販売のショッピングをするように心がけた方がいいでしょう。

 3.営業のために若しくは営業として締結した取引の場合は、訪問販売などの規制が適用除外になる。

 営業のために―いわゆる、事業を行っている人が、その事業のために買った物には、訪問販売によるものでも、クーリング・オフができないというものです。個人事業者や、家族だけのような小さな会社の場合は、この適用除外により、購入したけど必要なかったというとき、クーリング・オフができなくなるということもありえます。ただ、個人事業主等でも、事業としてでなく、個人で使うために購入する分は、訪問販売等の規制の対象になりますので、クーリング・オフ可能です。事業に使うために購入する場合は、注意が必要です。

 4.電話勧誘販売もクーリング・オフできる。

 突然かかってくる電話によるセールスで断りきれず、買ってしまった、という場合でも、指定権利や3000円未満の商品等除き、クーリング・オフなどが可能になります。
向こうからかかってくる場合だけでなく、販売目的を隠して電話をかけさせた場合なども電話勧誘販売とされる場合もあり、一定の条件下の中でクーリング・オフなどが可能です。

 5.通信販売で返品できる場合がある!?

 通信販売で商品が届いてから、やっぱりいらなかったかも、ということもあるかもしれません。契約などで解約等についての内容があれば、それで解約すればいいのですが、ない場合は次の点を確認してみてください。
 通信販売で一定の場合、販売業者は広告義務が課せられています。
返品に関する「返品特約」も義務付けられる表示の一つです。返品できないという場合は、広告上で「返品できない」と記載しなければなりません。その記載がない場合は、(記載がない以上)返品可能と考えるべきです。
広告の表示に「返品できない」などの記載がない場合は、返品できる可能性があるということになります。。

 6.一定の特定継続的役務提供契約にもクーリングオフの制度があります。

 法令で定められている一定の範囲の特定継続的役務提供契約(以下表参照)に関しても、クーリングオフが認められています。権利行使できる期間は、訪問販売等と同じく、法定書面受領日から8日以内ですが、店舗での契約でもクーリングオフ可能です。
 

(指定役務) (指定期間) (指定金額)
エステティック 1ヶ月超 5万円超
語学学習 2ヶ月超 5万円超
家庭教師等 2ヶ月超 5万円超
学習塾 2ヶ月超 5万円超
パソコン教室 2ヶ月超 5万円超
結婚相手紹介サービス 2ヶ月超 5万円超

 7.特定継続的役務提供契約(一定の)の場合、クーリングオフ期間が過ぎても、解約(中途解約)できます。

 特定継続的役務提供契約の場合、クーリングオフ期間が過ぎてしまっても、別途、中途解約可能です。
この法律で定められた中途解約権は、理由の如何問わず解約でき、また、違約金に関しても制限(下記表参照)があります。

*違約金の制限(特定継続役務提供契約)

役務提供開始前 役務提供開始後
エステティック 2万円 既に提供された役務の対価に相当する額
+2万円または契約残高の10%に相当する額のいずれか低い額。
語学教室
(外国語会話教室など)
1万5千円 既に提供された役務の対価に相当する額
+5万円または契約残高の20%に相当する額のいずれか低い額。
家庭教師等 2万円 既に提供された役務の対価に相当する額
+5万円または1か月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額。
学習塾 1万1千円 既に提供された役務の対価に相当する額
+2万円または1か月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額。
パソコン教室 1万5千円 既に提供された役務の対価に相当する額
+5万円または契約残高の20%に相当する額のいずれか低い額。
結婚相手紹介サービス 3万円 既に提供された役務の対価に相当する額
+2万円または契約残高の20%に相当する額のいずれか低い額。

(+法定利率による遅延損害金)

 8.業務提供誘引販売取引のクーリングオフ期間は20日。

 いわゆる内職商法、モニター商法という収益がえられるという業務を提供する約束をもって、(その業務に必要という理由で)物品の購入など特定負担を伴う取引である業務提供誘引販売取引のクーリングオフは、実際その業務―仕事に従事しないと期待通りのものか、また、本当は仕事などなく(ほとんどなく)、商品を売るための口実に過ぎないなど、短い間では判断できない可能性が高いので、通常より長く、20日の期間となっています。
 法定の契約書面受領から20日以内ということなので、法定書面の受領がない場合は、そのクーリングオフの期間は進行しないということになります。
 

 

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 Cインターネットでの取引(買い物、ネットトラブル)

 1.(心構え)安心できる店などで買い物をする。

 店頭で買うのと違い、ネットで購入するにあたって気になることは、商品がきちんと届くか、壊れた物などでなくきちんとした物が届くか、金銭の支払いに関して、などがあります。特に、お金を支払っても、商品が届かない、届いた商品に瑕疵があるのに、返品等応じてくれない、などの問題が発生しやすいところがあり、その当たりを注意して買い物等する必要があります。
先払いする場合などは、安心できる店で買い物するように心がけるべきでしょう。また、ネット上で物を売っている店は基本的に通信販売の広告をしなければなりませんので、返品特約などに注意して、どのような場合に返品できるか、などきちんと確認するようにしましょう。

 2.ネットオークションにはご注意を。

 ネットオークションをするにあたって、相手側が事業者なら、トラブルがあったとき、消費者法の適用によって、契約取り消し等主張しやすいのですが、相手が個人(反復継続して出品等している場合は、事業者となる場合もありますが)の場合は、基本的に、個人間の取引になりますので、トラブルがあったとき、消費者法が使えず、民法の原則等で判断しなければならなくなります。民法による取り消し等は結構難しいところがありますので、ネットオークションによる個人間の取引は、トラブルの解決がしにくいことを心にとどめておく必要があるでしょう。
ネットオークションをする場合は、必ず、利用規約等を読んで、また、評価などを確認して、危ないなと思う相手の場合は、入札等しないことが大切だと思います。
万が一、騙された!ということになったときは、必ず警察等に連絡いたしましょう。

 3.契約した覚えがないのに、多額の金銭が請求された場合は、基本的に無視すべき。

 ネットトラブルで多いのが、アダルト系サイトに入っただけで、契約した覚えがないのに、多額の金銭を請求された、というような事例です。契約は、当事者の契約するという意思表示が必要なので、一方的な契約成立はまずありません。無料ということでそのサイトに登録した、や、メールで送ってきたリンク先にアクセスしただけで、多額の請求をされた、などの場合は、画面構成などの確認するべきところはありますが、一般的に契約不成立、または錯誤無効などにより、支払う必要がありません。覚えのない請求書が来た場合は、通常は無視するようにすればいいと思います。また、状況によっては、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談することも考えるべきです。

 4.子どもの場合は、未成年者契約の取消権を考える。

 子どもなどの未成年者は、制限能力者として、行為能力が制限されており、親(法定代理人)の同意なく、契約等の法律行為をした場合は、一定の場合を除いて、取り消すことができます。ここで一定の場合とは、処分を許された財産の処分(小遣いで買い物をする)、未成年者に詐術があったとき(自分は成年者だと偽った時)などの場合で、その時は契約取消ができなくなったりするので、気をつけるようにしましょう。
 インターネットの普及により、子どもがネットに接する機会が増えていると思いますが、その分ネット取引等のトラブルに子どもが巻き込まれやすくなっていますので、視聴制限などの利用や危険について教えたりして、親は子どもを守るように心がけたいですね。

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