相続遺言相談室トップへ


 遺言書について〜

 遺言書作成の基礎はこちらから ⇒ 遺言書作成

○今回は、遺言書を作成した後のことについて、遺言書の撤回と保管について考えてみたいと思います。

 まず、早速ですが、遺言書は何度でも作り直すことができます。きちんとした公正証書遺言でも当然、作り直すことができます。
民法を見てみると、
 法1022条「遺言書は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を撤回することができる。」
 法1024条「遺言書が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。」

 法1023条、1025条〜1027条にも遺言書の撤回等についてありますが、とにもかくにも、遺言書というのは、1回作ったら終わりというわけでなく、何度でも作り直すことができるわけです。
 ただ、気をつけるべきことは、以前の遺言書の存在です。内容が抵触した部分は、後の遺言書の内容が優先(前の遺言書の内容は撤回したものとみなされる)されるといっても、何枚も遺言書があったりすると、ややこしいことになりかねません。できる限り、前の遺言書は始末ー破り捨てるなりした方が良いと思います。
 前の遺言書が公正証書遺言の場合は、後の遺言書の中で、例えば前の遺言を撤回する旨を記載します。
何枚か遺言書があった場合、どちらの遺言書が正しいのだろう?という疑問を相続人等に抱かせないようにしておく必要があります。特に、自筆証書遺言による場合で作り直す場合は、注意すべきです。

 次に保管に関して。保管方法は、家の金庫に入れておく、銀行等の貸し金庫で保管、信頼できる人に保管してもらう、など色々ありますが、大切なことは、遺言書があることを、相続人等に知ってもらうことです。自身が亡くなった後、せっかく作った遺言書が発見されなかったら、遺言書の内容を実現できないわけで、作った意味もなくなります。
 遺言書を作ったら、そのことを相続人等に知らせておくべきかは、それぞれの遺言者の環境等によって異なりますが、自身が亡くなった後、遺言書があるということをわかるようにしておくことが大切です。この辺りは、それぞれの状況によって色々とやり方がありますので、具体的にこうしなさいとは、言えませんが、遺言書を失わないように保管、そして、遺言書の内容が実現できるよう相続人たちに遺言書の存在を知ってもらうようにしておく、ということを、遺言者は考えておくべきです。
 公正証書遺言の方式の場合は、原本が公証役場で保管されていることもあり、それほど気にする必要はありませんが、それでも、遺言書があるということを相続人等が知らず、そのまま遺産を分けたりすることもあるわけなので、(亡くなった後)遺言書の存在を知ってもらう仕組みを用意しておく必要はあるでしょう。
  折角、気持ちを込め作成した遺言書でも、発見されなかったら悲しいですものね。保管等にも十分、気をつけましょう。
 

遺言書作成などについての相談等ありましたら、いつでもご連絡ください ⇒ 

最後までお読みいただき有難うございました。


トップへ