行政書士パッション
目次
[内容証明 ・ 離婚協議書
遺産分割協議書・相続 ・ 遺言書
建設業許可、経審 ・ 会社設立(新「会社法」) ・電子定款 /電子定款認証
NPO法人 ・
古物商営業許可 ・ 身近な?
会計記帳業務 ・帰化許可申請 ・著作権関連
契約書作成 ・ 特定調停関係 ・家計簿考案 ・有限責任事業組合設立
開業・起業の許可等申請 ]
*業務と仕事のページも参照してください。
*報酬額一覧も参考に。
□内容証明(郵便)
内容証明とはその名のとおり、どのような内容のものを何時出したのか(何時相手側に届いたのか)を証明するものです。
内容証明は後日の紛争予防、また紛争解決、法的効果の実現、その他一種の証拠としてよく使われるものです。
どういうときに内容証明が使われるかと言いますと・・・
1.クーリング・オフ
2.債権回収
3.地代等(賃料)増減請求
4.解除の通知
5.債権譲渡
6.相殺の意思表示
7.賃貸借などの更新請求また更新拒絶の通知
8.各種催告通知、意思通知 など
・・・数多くのものが有ります。何時どういった内容のものを出したのかを証明する必要のあるものは内容証明で出すことをお勧めします。それが、後日紛争をおこさせないための手段となるのです。
□離婚協議書 ⇒ 「夫婦家族相談室」も参考に
離婚の際、交わされる一種の契約書です。
離婚後のトラブルを予防するために作られます。親権を誰にするのか、養育費はどうするか、財産分与、慰謝料は?などを細かく定め、後日紛争に備えて書面に残します。
特に養育費、財産分与・慰謝料などの金銭(財産)が絡んでいるものは、必ず金額、金銭等を渡す時期、渡す場所、渡す方法等を明記する必要があります。
離婚の際、必ず離婚協議書が必要というわけではありませんが、やはり後々のことを考えますと作っておくのがいいのかもしれません。協議離婚のときは特に注意です。
ちなみに、財産分与と慰謝料の時効はそれぞれ2年と3年です。
□遺産分割協議書 「相続遺言相談室」も参考にしてください。
遺産分割に関する協議書です。相続人による遺産の分割が決まりましたら作成します。後々の紛争を予防する為に作られるものです。(相続に伴う解約手続、登記等にも使われます)
誰にどれだけの財産を分割するか細かく明記します。また、遺産分割の後に出現した財産はどうするのかも書いておくと役に立つこともあるでしょう。
遺産分割協議書を作成したら、相続人全員の名前の記入(署名)と印鑑証明つきで実印を押します。原則、一度協議が成立しますと分割のやり直しはできなくなります。
○相続について
相続について、少々書いておこうと思います。
被相続人が亡くなりますと、その時から相続が開始されます。相続人は他に相続する者がいないか、遺言書はないか、遺言書がある場合は遺言執行者をどうするか、相続財産はどれだけあるか等を調べます。
相続人は相続をするか、しないか決めることができます。相続はプラスの財産もマイナスの財産もすべて相続されます。
相続の手段として、3種類があります。
1.単純承認 プラス、マイナスとに関わりなくすべての財産を相続すること。その他の手続きをしなかったり、勝手に相続財産を処分しますと単純承認となります。
2.限定承認 プラスの財産からマイナスの財産を引いて、残った場合はその残余財産だけを相続すること。この制度を利用するには幾つかの要件が必要になります。@相続を知った日から3ヶ月以内にする。A相続人全員でする。B財産目録を調製する。・・限定承認は家庭裁判所に申述して行います。方法が面倒なのであまり限定承認は使われていないと思います。
3.相続放棄 相続人でなかった者として、相続財産を一切受け取らないこと。多額の借金がある場合は相続放棄がよく使われます。これも、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述して行います。一度、相続放棄をしますと特別な場合を除いて、相続放棄の取り消しは出来ません。
遺産分割の方法は、相続人の話し合いで決めるのが普通です。法定相続分というのがありますが、話し合いの結果、法定相続分と違った財産の分け方ももちろん可能です。
ちなみに法定相続分は@被相続人(亡くなった者)に子供がいるときは、配偶者と子供がそれぞれ二分の一すつ。A子供がいなくて親がいるときは、配偶者と親にそれぞれ三分の二と三分の一ずつ。B被相続人に子供、親ともいないが兄弟がいるときは、配偶者と兄弟はそれぞれ四分の三、四分の一ずつ。となっています。
その他、特別受益(相続人が贈与や遺贈を受けた場合に、他の相続人との公平を期するため、これを相続分から差し引く制度)や特別寄与(被相続人の財産の維持又は増加につき寄与した・被相続人に対し特別な寄与をした者に対し、相続財産とは別に寄与分を与える制度)なども考慮して、遺産の分割を取り決めることになります。また、遺言書があるときは、それに従うことになるでしょう。
相続財産の分割が決まりましたら、遺産分割協議書を作成して協議の成立となります。後は相続税の支払い(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署に申告。5000万+相続人×1000万の基礎控除があります。⇒改正により、基礎控除額は3000万+相続人×600万円となります。)、登記の申請、預金等の名義変更などをして、相続の手続きが終わることになります。
□遺言書
遺言は私たちが生きている間に出来る最後の意思表示です。そのため、遺言は代理人によってすることは許されず、また、法律の要式に従って作成しないと無効になる厳格なものです。
遺言は満15歳に達すれば、原則誰でも行えます。
また、遺言が出来る範囲は、法律に定められた事項に限られます。
一般の遺言書の作成の要式は三種類です。表でまとめておきます。
証人・立会人 | 書く者 | 署名押印 | 検認 | |
自筆証書遺言 | 不要 | 本人 | 本人 | 必要 |
公正証書遺言 | 証人2以上 | 公証人 (口述を筆記) |
本人、証人、公証人 | 不要 |
秘密証書遺言 | 公証人1人証人2人以上に 遺言書を提出 |
誰でも良い | 本人(ただし封筒に本人、証人、公証人の署名押印がいる) | 必要 |
自筆証書遺言は遺言書にその全文、日付および氏名を自筆で書き、それに印を押すことによって作成されるものです。
証人が必要ではないので、手軽に作れますが、遺言書の作成が法律の要式と異なったために無効になることもあるので注意が必要です。
公正証書遺言は公証人によって作成されるものです。
専門家が作成するので効力が否定されることはめったにありません。ただ、証人二人以上の立会いが必要な点と費用が幾らか掛かる等面倒な所もあります。
秘密証書遺言は遺言の内容を死ぬまで秘密にしておきたい場合に適した方法で、幾つかの法定の順序に従って作成されたものです。
秘密証書遺言の作成方法は
1.遺言者がその証書に署名し印を押すこと。
2.遺言者がその証書を封じ(封筒に入れる)、証書に押した印鑑でこれを封印する。
3.遺言者が公証人1人以上及び証人2人以上の前に封書を提出し、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述する。
4.公証人が封書に日付及び遺言者の申述を記載後、遺言者、証人とともに署名押印する
以上です。
秘密証書遺言は検認が必要な点と、内容等の無効などの争いが起きる可能性も考えられ、作成する手間を考えると使い難いところがあると思います。
*遺言書における証人(及び立会人)になれない者が法定されています。
1.未成年者
2.推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族
3.公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び雇人
以上の者は遺言における証人等にはなれません。
その他、緊急時における特別な方式の遺言が法定されていますがここでは省かせていただきます。ただ、この特別な方式の遺言は臨時のものですから、普通の方式の遺言が出来るようになった時から6ヶ月間遺言者が生存していると効力がなくなりますので注意してください。
□建設業許可申請
大手の一流企業から親方一人の大工さんにいたるまで、建設を業とする者は原則許可を受けなければなりません。一定の金額以下の工事請負の仕事は許可がなくても罰則はありませんが、許可がなく一定金額以上の仕事をすると罰せられます。市や都道府県などが発注する公共工事をしたくても許可(+経営事項審査)がなければなりません。ここでは、建設業許可の要件等について書いていきます。
@事前確認として、どういった種類の許可が取りたいかを決める必要があります。
1.どの種類の建設業を選ぶか?
建設業許可は29種類あります。ここから自分に必要な業種を一つ以上選ぶことになります。29種類の業種を挙げておきます。
土木一式工事 | 建築一式工事 | 大工工事 | 左官工事 | とび・土工・コンクリート工事 | 石工事 | 屋根工事 | |
電気工事 | 管工事 | タイル・れんが・ブロック工事 | 鋼構造物工事 | 鉄筋工事 | 舗装工事 | しゅんせつ工事 | |
板金工事 | ガラス工事 | 塗装工事 | 防水工事 | 内装仕上工事 | 機械器具設置工事 | 熱絶縁工事 | |
電気通信工事 | 造園工事 | さく井工事 | 建具工事 | 水道施設工事 | 消防施設工事 | 清掃施設工事 | 解体工事業 |
2.どの種類の建設業許可なのか?
建設業許可は、許可を受けようとする建設業が設ける営業所の所在地の状況によって大臣許可と知事許可に区分され、また、下請契約の規模等によって特定建設業の許可と一般建設業の許可に区分されます。
a.大臣許可 → 「営業所」が2以上の都道府県の区域内にある場合。
b.知事許可 → 一つの都道府県の区域内にのみ「営業所」を設ける場合。
特定 ・ 一般 許可について ○工事一件の請負代金が500万円未満(建築一式は1,500万円未満) ⇒許可不要 ○元請の場合 + 下請契約←一件の建設工事ですべての下請契約の下請代金の合計額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上) ⇒特定建設業許可 ○上記以外⇒一般建設業許可 *同一業種について、「特定」と「一般」の両方の許可を取ることはできない。 |
Aどういった種類の許可を取りたいのかを決まったら、次は許可を取るための要件が満たしているかを確かめなければなりません。許可を取るための要件は次のとおりです。
1.「経営業務管理責任者」がいること
法人=常勤の役員(取締役・無限責任社員・理事等) 個人=事業主本人又は支配人登記をした支配人 ↓ a 建設業について{・法人の役員 ・個人事業主 ・令第三条に規定する支配人}として経営経験がある ⇒<年数確認> ・5年以上7年未満=経営経験のある業種についてのみ「経営業務管理責任者」になれる。 ・7年以上=すべての業種について「経営業務管理責任者」になれる。 b 上記経営経験がないもので経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務を補佐した経験を有する者 ⇒<年数確認> ・7年以上=経営業務を補佐した経験のある業種についてのみ「経営業務管理責任者」になれる。 *一つの営業所の「経営業務管理責任者」は他の事業主体(他の会社など)の経営業務管理責任者にはなれない。 *監査役・有限責任社員はなれない。 |
2.「専任の技術者」がいること
a 「一般」建設業の場合 (いずれかに該当) (@) 大卒、高卒等で“建設業法施行規則第一条”による許可申請業務に関連する学科を修めた後、大卒で3年、高卒で5年以上の申請業務についての実務経験を有する者。 (A) 学歴の有無を問わず、申請業種について、10年以上の実務経験を有する者。 (B) 申請業種に関して法定の資格免許を有する者(場合によっては1年以上の実務経験が必要な場合がある)。 b 「特定」建設業の場合(いずれかに該当) [*土木・建築・管・鋼構造物・舗装・電気・造園については(A)または(B)で(A)と同等の場合の要件が必要] (@)「一般」のどれか一つに該当し、さらに申請業種にかかる建設工事で発注者から直接請負った(元請)建設工事で、その請負額が4,500万円以上のものに関して指導監督的実務経験が通算して2年以上ある者。 (A)申請業種に関して法定の資格免許を有する者。 (B)国土交通大臣が上記2つ(どちらか一方)に掲げる者と同等以上の能力を有する者と認定した者。 *他の事業所、営業所の技術者とは兼ねることは出来ません。 |
3.請負契約に関して誠実性のあること
許可を受けようとする者が法人の場合は、その法人・役員・支店又は営業所の代表者が、個人の場合は、本人又は支配人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要ということです。
4.財産的基礎・金銭的信用のあること
a 「一般」の場合(いずれかに該当) (@)自己資本(貸借対照表の資本合計)の額が500万円以上であること。 (A)500万円以上の資金を調達する能力があること(500万円以上の預金残高証明書・融資証明書等を得られること) (B)許可申請の直前5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績を有すること。←「更新」の場合。 b 「特定」の場合(すべてに該当) (@)欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと。 →[欠損」法人・{当期未処理損失−法定準備金合計−任意積立金合計} 個人・{事業主損失−事業主借勘定+事業主貸勘定} (A)流動比率が75%以上であること。 →流動比率=流動資産合計÷流動負債合計×100 (B)資本金の額が2,000万円以上で、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること。 |
5.許可を受けようとする者(法人の役人・個人の支配人なども含みます)が一定の欠格事由に該当しないこと
許可を受けようとする者が成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者や禁固以上の刑に処せられ5年を経過しない者、許可の取り消しから5年を経過しない者などの欠格事由に該当する場合は許可を受けることができません。
また、申請書類の重要事項について虚偽の記載をしたりしても、許可を受けることができません。
以上の5つの要件のどれか一つでも欠けていれば、許可は受けれないことになります。
これ以外に、単独の事務所を有すること という要件もあります。
○許可申請の手数料等として
a 登録免許税の納入
新規の大臣許可・・・15万円の登録免許税
b 許可手数料の納入
大臣許可の更新及び同一許可区分内における追加許可・・・5万円の許可手数料
新規の知事許可・・・9万円の許可手数料
知事許可の更新及び同一許可区分内における追加許可・・・5万円の許可手数料
を支払わなければならないことになっています。
□経営事項審査申請
公共工事を直接請負おうとする(公共工事の入札に参加しようとする)建設業者は、経営事項審査を必ず受けなければなりません。
経営事項審査をするには、建設業許可を持っていることが必要条件になっています。
建設業の許可を持っている者で、公共工事を請負いたい人は、経営事項審査を受ける必要があります。
経営事項審査の申請の手続きの流れは次の通りです。
@決算変更届の提出(免税業者以外は、税抜きで工事経歴書などを作らなければなりません)。
A経営状況分析申請をする。⇒経営状況分析結果通知の到着。
B経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値)の申請。⇒結果通知書の到着。
○経審に必要な提出書類は次の通りです(大阪府の場合)。
@経営規模等評価申請書及び総合評定値請求書
A工事種類別完成工事高
B技術職員名簿
Cその他の審査項目
D工事経歴書
E業種毎に上位5件分の契約書、注文書、請書等の写し
F消費税確定申告書の写し(免税業者は不要)
G消費税及び地方消費税納税証明書(その1)*提示
H経営状況分析結果通知書
I委任状(代理人申請の場合)
その他、提示書類として、建設業の許可通知書、副本、決算変更届や、技術職員・その他審査項目の証明資料などの書類が必要になってきます。
トップへ
*新たに施行される「会社法」の注目点
・株式会社と有限会社を「株式会社」に統合 ⇒有限会社の新規設立ができなくなる。現存の有限会社は特例有限会社として残る。(会社法規定の株式会社として存続することになる)
・最低資本金規制の廃止
・その他会社設立手続きの簡素化(類似商号の撤廃、目的の審査緩和など)
・その会社に合った柔軟な「機関設計」ができる(取締役1人でも設立可能に。新たに会計参与の設置が可能に。)
○「特例有限会社と株式会社(非公開会社・株式の譲渡制限をしている会社)との比較」
特例有限会社 | 非公開会社(取締役会の設置なしの場合) | 特例有限会社のメリット・デメリット | |
---|---|---|---|
出資者責任 | 有限責任 | 有限責任 | |
取締役 | 1名以上 (任期の定めなし) |
1名以上 (任期:原則2年。定款で10年に延長可能) |
特例有限会社の取締役等は任期の定めがないので、役員変更登記が不要というメリットがある。 |
監査役 | 設置任意 (業務は会計監査のみ) (任期の定めなし) |
設置任意 (任期:原則4年。定款で10年に延長可能) |
特例有限会社では、株主総会と取締役(あと任意で監査役)以外の機関の設置ができない(会計参与などの設置ができない)。 |
決算公告義務 | なし | 有り | 特例有限会社は、決算の報告義務がないメリットがある。 |
特別決議要件 | 総株主(社員)の半数以上であって、当該株主の議決権の4分の3以上 | 議決権行使可能株式の過半数(定款で3分の1以上)を有する株主の出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上 | 特例有限会社は、特別決議要件が厳しい。状況によってメリット・デメリットになる。 |
*特例有限会社から株式会社へ移行するには、定款を変更して商号中に株式会社という文字を用いる商号の変更をし、当該特例有限会社については、解散の登記をし、商号変更後の株式会社については、設立の登記をすることになります。
会社は営利を目的とする社団法人(共同の目的を有する人々の結合体で法律上権利義務の主体となることを認められたもの)です。本店の所在地で設立の登記をすることによって成立します(準則主義)。
会社法上、新規設立できる会社の種類は次の通りとなります。
株式会社(非公開会社) | 株式会社(公開会社) | 合資会社 | 合名会社 | 合同会社 | |
社員の責任様態 | 有限責任 | 有限責任 | 無限責任と有限責任 | 無限責任 | 有限責任(内部的には組合) |
最低社員(株主)の数 | 1人 | 1人 | 2人(無限責任社員と有限責任社員) | 1人 | 1人 |
最低資本金 | 規制なし | 規制なし | 規制なし | 規制なし | 規制なし |
定款の絶対的記載事項 | 1.目的 2.商号 3.本店の所在地 4.設立に際して出資される財産の価格又はその最低額 5.発起人の氏名又は名称及び住所 (*発行可能株式総数・設立時定款) |
1.目的 2.商号 3.本店の所在地 4.社員の氏名又は名称及び住所 5.社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれかであるかの別 6.社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る)及びその価格又は評価の標準 |
1.目的 2.商号 3.本店の所在地 4.社員の氏名又は名称及び住所 5.社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれかであるかの別(全部を無限責任社員とする旨) 6.社員の出資の目的及びその価格又は評価の標準 |
1.目的 2.商号 3.本店の所在地 4.社員の氏名又は名称及び住所 5.社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれかであるかの別(全部を有限責任社員とする旨) 6.社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る)及びその価格又は評価の標準 |
|
定款の認証 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 | 不要 |
取締役・監査役など | 取締役1名以上・監査役等任意。 (取締役会設置会社)取締役3名以上・監査役等。 |
取締役3名以上、監査役等。 | 定款で別段の定めがある場合を除き、社員が業務執行。 | 定款で別段の定めがある場合を除き、社員が業務執行。 | 定款で別段の定めがある場合を除き、社員が業務執行。 |
ここでいう社員とは会社の構成員のことで、従業員・サラリーマンなどの会社員のことではありません。株式会社での株主をイメージしてもらえたらいいと思います。
公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない会社をいう。(会社法2条5号)
⇒(すべて)株式譲渡制限している会社は公開会社でない会社(非公開会社)ということになります。
機関設定について(株式会社)
株主総会以外の機関設定に関して、公開会社であるか否か、取締役設置会社であるか否か、大会社であるか否か等により設置に関してのルールが定められています。
@1人または2人以上の取締役を置かなければならない。(会社法326条1項)
A公開会社、監査役設置会社、委員会設置会社は、取締役会を置かなければならない。(会社法327条1項)
B取締役会設置会社は、監査役を置かなければならない。(ただし、非公開会社では、会計参与の設置によりこれに代えることができる。)(会社法327条2項)
C会計監査人設置会社(委員会設置会社は除く)は、監査役を置かなければならない。(会社法327条3項)
D委員会設置会社は、監査役を置いてはならない。(会社法327条4項)
E委員会設置会社は、会計監査人を置かなければならない。(会社法327条5項)
F大会社(非公開会社、委員会設置会社除く)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。(会社法328条1項)
G非公開会社の大会社は、会計監査人を置かなければならない。(会社法328条2項)
H取締役会設置会社においては、取締役は、3人以上でなければならない。(会社法331条4項)
I監査役会設置会社においては、監査役は3人以上で、そのうち、半数以上は社外取締役でなければならない。(会社法335条3項)
J会計参与は、任意に設置可能。
機関設置の例: (非公開会社)取締役のみ。 (非公開会社)取締役会+監査役(会計参与)。
(公開会社)取締役会+監査役 (公開会社)取締役会+監査役+会計参与。など
社員の責任にはいくつかあり、「有限責任」とは社員の責任が一定の出資額を限度とすること、「無限責任」は社員の責任の限度がないことです。
例えば、一人の社員が50万円、会社設立時に出資したとします。その後、会社が500万円の借金を負い、会社自体がその債務を支払えない場合に、その社員が「有限責任社員」なら、出資の金額50万円だけの責任しか負いませんが、「無限責任社員」なら、500万円すべての責任を負わなくてはなりません。
ただ、有限責任社員でも、一定の場合には無限に責任を負わされる場合もあります(法人格否認の法理と呼ばれているもの)。
定款とは、会社の組織・活動に関する根本的規則のことで、必ず作成しなければなりません。そのうち、「絶対的記載事項」とは定款にこの記載がなければ、その定款は無効になるというもので、必ず定款に記載しなければならないものです。その他、注意ですが、「相対的記載事項」といって、定款に記載しないとその効力が認められないものもあります。その他「任意的記載事項」として、会社法に違反しない範囲での定款記載により、株主その他内部の者は、その規定を守らなくてはいけないようにできます。
株式会社では、公証人による定款の認証を受けなければならないことになっています。
定款の絶対的記載事項の注意点
1.目的 事業内容のことです。具体的に記載する必要があり、内容や表現方法について一定の制約が設けられています。⇒新会社法施行後では、具体性に関しては、登記官の審査上、大きく緩和されるようです。
2.商号 会社の名称です。類似商号規制は廃止されましたが、同一商号かつ同一住所の登記はできず、また不正の目的で、他の会社と誤認されるおそれのある商号を使用してはなりません。
3.会社が発行する株式の総数(株式会社) 会社設立時においては、この数の4分の1以上の株式を発行する必要があります。(非公開会社は関係なし)⇒会社設立時の定款の絶対的記載事項。
4・公告方法は、絶対的記載事項でありません。定款に記載ない場合は、「官報に掲載する方法」となります。
その他、注意点
5.現物出資 金銭以外の財産による出資のこと。原則、検査役の調査が必要となり、現物出資をする場合は注意が必要。⇒新会社法上、500万円を超えない現物出資につき検査薬の調査が不要になったなど規制緩和されています。
会社設立までの簡単な手続きの流れ
@会社のプランを立てる
会社の目的・商号等、基礎となる事柄を決めます。その後、その目的が適しているか、同一商号がないか等を調べます。会社の基礎作りです。
A定款作成
@で考えたプランに基づいて、定款を作成します。その後、株式会社は公証役場で定款の認証を行います。
B資金集め
株式会社は出資の払込の取扱いをする金融機関を定め、そこへ、資本金の払込をします。(払込みがすむと金融機関から払込金保管証明書を発行してもらいます。発起設立に場合は、銀行等残高証明に緩和されています。)
合資会社、合同会社においては、有限責任社員の出資の証明書を作成します。
C組織作り
株式会社で取締役等を選任し、また、設立過程の調査を行います。
その他、登記に必要な書類を集め、晴れて設立登記の申請を行います。
Dその後
登記が完了しますと、会社は設立します。その後、税務署・労働基準監督署・職業安定所・社会保険事務所など諸官庁への手続きを行わなくてはいけません。諸手続きが終わると、会社は本格的に始動します。
株式会社(非公開会社・取締役のみ)の定款の見本です(参考にしてください)。
定款(pdf)株式会社・非公開会社・取締役のみ
トップへ
電子公証対応可能の指定公証役場で、電子署名をした電子定款のFDを提出し、電子定款認証を行うことができます。
電子定款認証のメリットは、印紙代の4万円がいらないことです。
公証人手数料 | 印紙代 | ||
---|---|---|---|
通常(紙による)の定款認証 | 5万円 | 4万円 | =9万円+その他謄本代 |
電子定款認証 | 5万円 | 0 | =5万円+その他謄本代 |
電子定款認証をするための電子定款作成には、当然ながらパソコンが必要であり、またワープロソフト、電子署名をするためのソフトの用意、そして、電子証明書の発行の手続きをする必要があります。これらのソフト等を揃えるのに約10万円ほどかかってしまい、個人が、何もない状態で電子定款認証をしようとすると、紙による定款認証より高くついてしまいます。しかし、電子定款の作成(電子定款認証)対応可能の行政書士に頼むことにより、通常の紙ベースの定款より安い値段で定款認証が可能になるわけです。行政書士等への報酬などを入れても、紙ベースより安くすみますので、(株式)会社設立費用を安くできます。
当事務所へ依頼した場合の定款認証の費用等 | 報酬 | 定款作成費用 | 公証役場に払う手数料・印紙代等 |
---|---|---|---|
紙ベースの定款認証 | 9,500円+交通費 | 通常1万〜3万円(取締役会、監査役などの設置、文面内容の考案の数による**) | 9万円+謄本代等 |
電子定款認証 | 10,500円+交通費 | 通常1万円〜3万円(取締役会、監査役などの設置、文面内容の考案の数によ**) | 5万円+謄本代等 |
**ただし、こちらで用意している定款に穴埋めして使用する程度なら、5,000円程度から。 | |||
電子定款認証手続きのみ | 5,000円+交通費 | 定款文書は、依頼者の方でご用意ください。公証人との打ち合わせ等依頼者の方でするという場合は、 この金額以下での対応も可能です。ご相談ください。 | 5万円+謄本代等 |
□NPO法人
*平成24年4月から法改正しています。一部変更ありますのでご注意ください。
NPOとは“Non Profit Organization”の略で「民間非営利団体」のことです。
NPO法人は、「特定非営利活動促進法(NPO法)」を根拠法として、ボランティアなどの非営利活動を行う民間の組織に法人格を付与されたもので、法人となることにより、法人の名前で契約や財産を保有することなどのメリットがあります。
上記にも少し書いていますが、特定非営利活動をするボランティア団体、市民団体が法人格を持つ「NPO法人」となることに、以下のメリットがあると思われます。
@法人の名前で契約が出来る。
A法人の名前で、銀行口座を作れ、土地などの財産を保有することが出来る。
BNPO法人は一定の情報公開が義務づけられているので、社会的信用に繋がる。それにより、寄付金や補助金等も受けやすくなる。
C国際的に活動するNPOの場合、法人格がなければ受け入れられない。
D営利目的でないことを理解してもらえる。 など
非営利といっても、収益事業を行うことはできます。ただし、収益事業によって得た利益は、役員等に分配することはできず、NPOの事業のために使うことになります。
***
NPO法上、「特定非営利活動」とは次の両方に当てはまる活動のことをいいます。
@法で定める次の17のいずれかの活動に該当する活動
1.保険、医療又は福祉の増進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動
3.まちづくりの推進を図る活動
4.観光の振興を図る活動
5.農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7.環境の保全を図る活動
8.災害救援活動
9.地域安全活動
10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11.国際協力の活動
12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13.子供の健全育成を図る活動
14.情報化社会の発展を図る活動
15.科学技術の振興を図る活動
16.経済活動の活性化を図る活動
17.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18.消費者の保護を図る活動
19.1〜18の活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20.全各号に掲げる活動に準じる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
A不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動
「不特定かつ多数の者の利益」とは、法人の活動にって利益を受ける者が特定されず、広く社会一般の利益となること(公益)で、構成員相互の利益(共益)や、特定の個人又は団体の利益(私益)を目的とする活動は、特定非営利活動ではありません。
以上のことを踏まえ、NPO法人設立のための要件を見ていこうと思います。
ちなみに、NPO法人は所轄庁(都道府県知事・2以上の都道府県内に事務所を設けようとする場合は内閣総理大臣)の認証を受け、設立の登記をすることにより成立します。
NPO法人の設立要件
1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
上記の特定非営利活動を行うことを主たる目的にしなくてはなりません。主たる、ということで、先ほども少し触れましたが、特定非営利活動以外の収益事業を行うことも可能です。
2. 営利を目的としないこと
利益を分配しない、ということです。
3. 宗教活動を主たる目的としないこと
4. 政治上の主義の推進・支持・反対を主たる目的としないこと
5. 特定の公職の候補者、公職者又は政党の推薦・支持・反対を目的としないこと
選挙活動はダメ、ということです。
6. 暴力団または暴力団若しくはその構成員の統制下にある団体でないこと
7. 社員の資格の得喪について、不当な条件をつけないこと
社員とは、法人の構成員のことで、法人の最高意思決定機関の総会において議決権を持ち、法人の意思を決定します。社員の資格の得喪(社員の資格取得・退会)に条件を付ける場合は、目的に照らして合理的かつ客観的なものでなくてはなりません。
8. 10人以上の社員を有すること
社員は10人以上必要です。社員は個人、団体いずれでも構いません。
9. 役員として、理事3人以上、監事1人以上を置くこと
理事とは法人の執行機関のことで、監事とは理事の業務や、法人の財産を監査する者です。
理事は社員や常勤の職員と兼ねられ、監事は社員を兼ねられますが、理事と監事の兼職は認められていません。
10. 役員が成年被後見人等の欠格自由に該当しないこと
法に定める欠格自由に該当する者は、役員になれません。
11. 報酬を受ける役員数が、役員総数の3分の1以下であること
報酬とは、労働の対価のことで、会議の出席費用などは含まれません。
12. それぞれの役員について、配偶者若しくは三親等内の親族が1人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び三親等内の親族が、役員総数の3分の1を超えて含まれないこと
役員総数が6人以上の場合は、親族等1人まで役員になれます。
NPO法人となるには以上の要件をすべてクリアしていないといけません。
NPO法人設立までの流れは次のようなものです。
@[設立構想]
社員10人以上の確保。
設立趣旨書(法人設立にいたった経緯、その目的、事業内容、法人格が必要な事由等を記載。申請に必要な書類。)の作成。
定款の作成や事業計画等をたてる。
A[申請書類の準備]
申請に必要な書類を準備します。
B[設立総会の開催]
設立総会を開き、役員の選任、定款などの申請書類の承認等の議事を行います。ここでの議事録は申請に必要な書類の一つです。
C[認証の申請]
各種の書類が整ったら、やっと申請です。申請する前に所轄庁に予約を取る必要があるようです。
D[公告・縦覧]
縦覧期間として、申請書の受理から2ヶ月間、次の書類を公衆の縦覧に供します。
・定款、役員名簿、設立趣旨書、初年度、翌年度の事業計画書と収支予算書
E[認証・不認証の決定]
申請後4ヶ月以内に、認証、不認証の決定がされます。申請団体が認証基準を満たしている時は認証となります。
F[設立登記]
認証後2週間以内に設立の登記をしなければなりません。
登記後、すみやかに登記完了の届出を所轄庁に提出するする必要があります。
その他、税務署等への届出などをおこない、晴れて法人の運営が始まります。
○○
中間法人法は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に移行しています。
民事局ページ(他、民事局ページに一般社団法人関連についての説明等があります。)